完全紹介制 中小企業の社長様・経営者向け 次世代経営者コミュニティ

過去も未来も問題と真っ向から向き合い常に変化していく

Q御社の企業理念についてお聞かせいただけますか

リブランを創立してから早いもので50年以上経ちました。その中で一貫して変わらずに社員に伝えていること、それは「企業は企業にあらず、単なる社会運動体である」ということです。創業当初は家や住宅に焦点を置いて、とにかく良い住宅を作るために一生懸命走って来ました。でも、様々な社会問題と直面するうちに「我々の仕事は家を作って単にそれを売ることではない」ということに気がつきました。私たちの会社の使命は「家を売る」のではなく、「皆さんの暮らしをもっと豊かなものにしていくこと」であると。つまり家を作ることはあくまでも豊かな暮らしを実現するための手段なんだと。それと同時に目に見えないところに本質があると考えるようになりました。

では、私たちの使命を果たすためにはどうしたらいいのか。私は社員に「会社ではなく、地域に出勤しなさい」と言いました。地域に出勤する、実際に町に出てそこに住む人と触れあい、会社にいてはわからない真の情報を地域のお客様からいただく。そしてそれを会社にフィードバックして使命の実現のために生かしていくようにしようと。しかし、地域の声を聞くといってもただ話を聞くというような姿勢では見えてこないものがあります。そこで、私は「1人の社員が3つでも4つでも、とにかく地域のために何か社会貢献をしてみよう」と提案しました。そんな行動を通して地域の皆さんと、喜び、怒り、悲しみなどを共有することによって、初めて社会問題の本質が見えてくるはず。それを我々が会社の人間や物、お金を使い、最終的には住宅という媒体によって解決していく。これが私たちリブランの企業理念です。

Q創立以来一度も赤字経営を出さない秘訣はなんだったのでしょう?

創業から55年経ちますが、今回のコロナショックを含めこれまで経済ショックといわれるものは6回経験しました。私はそういったショックが起きるたびに、けっして逃げずに真摯に自分や家族、社員、会社と向き合うことに集中して来ました。具体的な手法はいくつかありましたが、基本的には問題から目をそらさずに真っ向から向き合うという経営者の姿勢が赤字経営を出していない秘訣じゃないかと思っています。困難が来ると現実と向き合わずに、そこから逃げて別の業態や隙間産業に走るといった経営者も多いですね。でも、私はとにかく困難な状況に陥ったときは、まず自分自身や周りの環境と向き合うことに集中するようにしています。

焦って小手先のテクニックに頼るようなことをせずに、そういうときこそ自分の在り方や本質と心静かに向き合ってみる。そうすることにより、自分が考える経営理念も深掘りされて、いま自分は何をすべきなのかがぼんやりと見えて来るんです。私はこれまでそういうことを心がけてきました。その結果、いずれの経済ショックの時でも、迅速に適切な初期対応をすることができました。

Qリブランはどういう未来を創造していくのでしょうか?

これについては一貫して変わらないポリシーがあります。リブランは「住環境を通して地域に新しい価値を提供して行きたい」と考えています。いまはコロナ感染で様々な問題が起きていますが、住環境を通してそれらの諸問題を解決できることも多くあるのではないでしょうか。

例えば、住居とか街を自然に戻していく活動が挙げられます。一昔前、ちょっと後ろにタイムスリップするようなイメージかもしれません。リブランでは集合住宅を自然に戻していくという活動を、創業当時から手がけています。最初は小さなステップでしたが、経験を重ねる毎に進化していっています。リブランが手がける「屋上が緑化してある」エコミクストいうマンション。さらにそのコンセプトは、屋上・壁面・窓際の緑化、「緑のカーテン」というものに進化していきました。また、施工重視のため常識になっていた人体に負荷がかかる人工的な建材をやめ、自然素材を取り入れる努力も行ってきました。さらに経済効率のいい田型マンションではなく、採光や風通しのいい構造のマンション設計にも取り組んできました。もちろんそれ実施過程では多くの困難や試行錯誤があり、多くの方の協力もあって実現してきました。しかし、こういった済む人の体にやさしい自然志向の住環境を実現することで豊かな社会が創造できる、そんな活動を今後も続けていくつもりです。それが、リブランが目指す未来ビジョンです。

一方で、グローバル資本主義が台頭し末期的とも言えるこの日本を、もう一度クリアで人間性あふれる社会にすることができればと考えています。その方法として挙げられるのが倫理経営です。資本主義経営ではなくもっと道徳や倫理を大事にした経営スタイルです。うわべではなく、地域やお客様が必要としている物事の本質にフォーカスする企業活動。リブランが提唱するエコビレッジ、「緑のカーテン」の推進などもそうした活動の一つといえます。倫理経営を通して、地域やお客様に幸せになってもらえる未来を今後も創造していきたいですね。

Qコロナ時代のマーケットの捉え方について教えてください

私たちリブランは、過去に築いてきた実績や企業としても経営方針を幾度もご破算にし、作り替えてきました。なぜそういうことを繰り返して来たかと言うと、一度ご破算にすることですることで今まで見えなかった物事の本質が見えてくるからです。これはマーケットに置き換えても同じこと。ご破算にすることで、もう終わったと思われていた小さなマーケットについても見方も変わってきます。つまり物事の本質を見直すことで、終わっていると思われていたマーケットでも、新しい思想を吹き込み、拡大復活させることができるケースもあります。こういったマーケットは多くの人にとっては価値が見えないため、誰も手を出そうとません。だから小さなマーケットに見えますが、本当はその逆で、物事の本質を見留ことができれば、じつはそのマーケットが広く大きくことがわかります。ニッチ産業に入り込むのではなく、新たなマーケットの発見、創造のようなものです。例えばリブランが手がけてきた「エコビレッジ」や「ミュージション」はまさにそれで、既成概念を超えて、お客様を通して新しい社会問題を発見して、それをクリアしようと考えられたプロジェクトなんです。

Qパートナーズ経営者倶楽部への期待についてお聞かせください

パートナーズ経営者倶楽部が、変わった人達が集まるようなクラブになれば面白いですね。いろんな変わり者がどんどん入ってきて、メンバーが新しい物や面白い視点を取り入れ、みんなでイノベーションを起こすことができるようになれば素晴らしい。私はこれからの時代、感性が豊かならば誰にでもチャンスがある時代だと思っています。私たちの時代は戦後だったので、いまほど社会に物が溢れていなかった。物が重要だった。要するに、価値を物のニーズで埋める時代だった。でも今の時代は物が溢れていて物ではニーズを埋めることができない。つまり物ではなく、目に見えない価値でニーズを埋めていく時代になっています。そして、この流れはどんどん大きくなる。住宅の例で言えば、目に見える住宅に価値があるのではなく、その住宅を使う人たちのライフスタイルが価値なんです。その目に見えないライフスタイルという価値を提供することができる感性が重要です。そのためこのクラブを通して、そういった感性を感じ取れるスキルをみんなに身につけてもらいたい。それには、今あるものを一旦ご破算にして新しいものを作り出す勇気が必要です。また大きなリターンを得ることができるマーケットの見極め方も重要。そういったことを学べる場にパートナーズ経営者倶楽部がなれれば面白いですね。

鈴木靜雄(すずき しずお)プロフィール

千葉県館山市出身、22歳で不動産業を板橋区にて創業。25歳「千葉建設」として法人化、その後社名を「リブラン」と改め52年を迎える。一貫して住まいと人間、家族、子供たち、地域の本質を掘り下げ、国や行政に提言。「企業は企業に非らず、社会運動体、社員は会社に来るな地域に出勤せよ」と地域の様々な社会問題を住環境を通して解決する。環境問題は(エコミックスマンション・戸建て)、子育て問題は(キッズプレースマンション・戸建て)、ライフスタイルは(ミュージション・音楽)など、様々な社会問題をプロジェクト化し、大手ディベロッパーなども指導啓蒙する。

日本居住福祉学会理事、埼玉県住まい作り協議会副会長、東京都倫理法人会役員歴任。

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